「叡智の断片」池澤夏樹

何が必要だ?と問われれば、愛が必要だと答えるだろう。甘く囁く低音の、密度の、漆黒の中交わされる愛。いや、お金かもしれないし自由かもしれない。あとは美味いシャンパンか。否。やはり言葉ではないか。感激に震えるような、ついくすっと微笑んでしまうような、目に映る景色の素晴らしさを2割り増しにしてくれるような、言葉。ついうなづいてしまうちょっとした処世術のような、たった4行の。深く心に突き刺さって欲しいと望んでいるときの、言葉。

アフォリズムの類いは様々出版されていて、僕もそのいくつかは愛読しているのだけど、その中に確実に加わる一冊に出会った。

50のテーマをエッセイ形式で綴り、その1テーマの中に5つほどのアフォリズムが含まれている。筆の運びは流麗で澱みがなく、引用されたアフォリズムはマイナーからメジャーまで幅広い。その中のいくつかは昨日Twitterにあげています。

恋愛から政治、人生、コンピュータ、病気、音楽・・・etc。笑ったり感心したり、またはグッと胸がつまったり。古今東西の名言?を心ゆくまで堪能してくださいね。この類いが好きな方は間違いなく買いの一冊だと思いますよ。

最後に一説を。シンプルだけどそのワクワクがとても伝わってくるのです。

「恋はねぇ、わたしにビタミンみたいに効くの。いいお天気で、かぶった帽子が似合って、靴が似合って、ドレスが似合って、ストッキングが似合って、その上、誰かがわたしに年収1000ポンドを約束してくれたみたいな気持ちになるの(P・Gウッドハウス)」

BGMは軽やかな恋の始まりを記念してマイケル・ナイマンのこんな曲で。
http://www.youtube.com/watch?v=HGYZI7khc7U&feature=youtube_gdata_player

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