おはようおやすみを繰り返しながら。

8月末まで派遣で働いていたが、同時期に辞めた女の子と昨日会って近況報告をした。約二ヶ月経つが、まだ仕事が来まらず苦戦しているとのことだ。

飲みながら話を聴いていると、不採用の通知をもらうたびにどんどん自分が価値のない、いてもいなくても同じだと思えてきたと言う。正社員になるのはきついと聴いていたが、アルバイトや派遣でさえも通らないので、バイト・派遣・正社員関係なく受けまくって、きまったのは2件。一つは期限付き時給900円の事務、もう一つは牛丼チェーンのバイト。

自信を無くすのも当然だと思いながら飲んでいたが、来月からバイトでも探そうかと思っていた自分はどうなるのだろう?とにかく励ますだけ励まして帰ったが、やはり仕事が無いというのはここまで精神的に負荷がかかるんだなと実感した。チャーミングでモテモテだった女の子だったのに、落ち込んだその姿はマニキュアが剥がれた爪のような、デコレーションの粒がぼろぼろはげ落ちた携帯電話のような、中途半端な輝きが痛々しかったのだ。年も25と若く礼儀もわきまえているし、第一印象などは知り合いということを引いても格段に良いのに。

僕が小売店の店長だった時いくつかの面接をやったが、その時はひどかった。平気で遅刻して悪びれない奴、手ぶらで履歴書をジーンズのけつポケットにつっこんでくる奴、音楽を聴きながらやってきて目の前でイヤホンをしまう奴。突っ込んだ質問をしてたじたじになったので本当はその仕事やってないんじゃないのと聞くとスイマセンと謝る奴。いつから働けるかと聞くと、もう一つ採用待ちがあるのでその答えが出てからだというので、じゃあもう一つのところ受かったらそちらに行くの?と聞けば、元気よくはいっ!と答える奴。

小さい店のスタッフ募集の面接だったので、そんな特別なスキルは必要なく、家がそこそこ近くで普通に受け答えができればすぐに採用したかったのに、一人として普通の人がいなかったのだ。おかげで募集広告を二週間にのばさなければならず、余計な経費がかかったのを覚えている。

人とコミュニケーションをとるのが苦手だという人は一定数いるだろう。営業職をやる前の僕もそうだった。人と目を合わせて会話するのが苦手で、職場で些細なトラブルがあって誰のせいだ!なんて声があがると、自分じゃないかとおどおどしていた。弱気な自意識過剰。

そして、営業職だった頃は社内に物流部門があって、10〜20人ほどのアルバイト・派遣さんが働いていた。一癖も二癖もある連中が多く、あきらかに人とコミュニケーションできない人もいた。しかし物流だと、商品をピックアップして箱に入れて梱包する、といった手順なので、黙々とやっている奴のほうが評価されやすい。一日中ほとんど口を開かず、でも手先は器用で、同じ時間で人の倍の梱包ができるバイト君は神と呼ばれていた。逆にベラベラしゃべるムードメーカーの人は裏で、あいつ仕事できないからなぁ、と陰口を言われていた。本当に必要最低限のルールを守って、まじめに働いていれば存在価値もあるし、評価対象にもなる。ムードメーカーと、黙々と働く内気な人とバランスがとれていてよかった。

不況下で工場がどんどん閉鎖されて、今まで派遣でやっていた人たちが就職市場に一気にあふれて、あまり得意でない業種の面接を受け始めているのではないか。特に僕と同じ年代の30代後半。この世代は人数も多い。コミュニケーションが得意でない人が仕方なく営業職募集の会社を受けたり、事務系だった人が接客業を受けたり、少ないパイに人が殺到するからカオス状態だ。

条件の悪いところでも仕事がないよりまし、時間が余っているからとりあえず受けるという人も多いだろう。僕が前に面接を受けた広告会社の面接官も、とにかく募集すると人が集まりすぎるので面接するのが嫌になってくると、申し訳ないのと面倒くさいのとをミックスしたような表情で言っていた。面接官も人だからしょうがない。就職活動はアパート探しと同じく、運に左右される場合が多々ある。

物作り、物流、工場など大量に人が必要な産業が盛り返してくれるといいんだけどなかなか難しいのだろうか。

あと、職安で1時間待ってパソコンの検索する人は何を考えているのだろう。家で検索して番号控えていきなり紹介してもらえばいいのに。あとは職安の外の喫煙所コーナーで缶チューハイ飲んでるのも驚きなんだけど。

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